浩翔(ひろと)のブログ

雑記。思ひ出ぽろぽろ。いつかこの日々を思い出して泣いてしまう。

結果を出せない人は「ハマる」環境で頑張ればいいということ

 

「田舎を出れば、もっとワクワクするような、もっと自分を楽しませてくれるようなことが沢山あるはず。都会に住めば、沢山の出会いがあり、自分が変わるキッカケにもなるはずだ。」

 

 

 地元を出て10年経って働いている今、これは半分合ってて半分間違っていると分かった。

 

僕は高校生まで福井県勝山市で育った。北陸4県の中でも馬鹿にされるほどの超ど田舎福井県で、なおかつ辺り一面山しかない勝山市に住んでいるわけだから、 幼少期から自分の中でなんとなく地元に対する嫌悪感が捨てられなかった。

 

塾や予備校も無い。学生時代は独学でよく勉強した。特に目標や夢があるわけでもなかったがとにかく地元を出たかった。幸い、真面目さだけが取り柄なのもあって、国立大学に合格し、大学生活は名古屋で過ごすことになった。名古屋が都会かというと首都圏に住んでいる人から言わせてもらうと微妙かもしれないが、当時の僕にとっては大都会だった。

 

「これでようやく人と同じスタート地点に立つことが出来た。」

それまで頑張っていなかったつもりでも無いが、心機一転また頑張ろうと思えた。

 

しかし、入学してからは自信喪失を繰り返すばかりだった。

無理して入学したようなものだからわかってはいたけど、周りがとにかく賢い。授業で僕が真剣に解いている問題があれば、周りは僕の半分程の時間で答えを出す。

 

在学中はずっとそんな感じだった。それでも悪い意味で真面目だったから、いいことなのか悪いことなのかもわからないけど、単位は落とすことなく4年目で卒業見込みとなった。正直、何の意地で4年間も大学に通っていたのかもわからない。友達も多くいたわけじゃないし、当時の自分の精神力は今でもすごいと感じる。

 

 

ただ、ここで自分の人生の大きな転機が訪れた。4年目の夏に受けた自大の大学の院試に落ちた。

 

 

生まれてこの方、ずーっとレールにそって歩いている僕からしてみれば、並ならぬ絶望感だった。レール脱線、大事故だ。来年の予定がない。超のつく安定志向だった僕が、ニートになった。

誰に頼まれているわけでもなく泣きながら親にも謝ったし、今思うと全然大したことないことなんだけど、なんとなくレールを外れた人間はもう元に戻れないんだろうなという考えがあった。

 

勉強自体も特に好きではなかったし、夢や目標もあるわけでもなく、もう勉強自体やりたくなくなって、次の年は就職活動をした。でも仕事をしたいわけでもないことにも気づいた。というか、やりたいことがないことに気がついた。

 

では一体何の目標があって行動しているのか考えてみたら、とにかく普通の、一般の、皆が走るレールに戻りたいことが僕の行動指針であることに気づいた。まぐれでもいいから大学の合格みたいに内定をもらい、自分を元のルートに戻してほしかった。

 

結局そんな受け身な感じだから就職活動もうまくいくことはなく、また嫌いな勉強を5月頃から再開し大学院に進学して、とりあえずやりたいことを見つけようと思って学生を延長することにした。

 

2年目の院試は怖くなって自大だけじゃなく3つ受験し、幸い3つとも合格した。

普通の理系人ならそのまま自分の大学の大学院に進むのが一般的なんだろうけど、環境を変えたくて、関東の大学院に進むことに決めた。いや、その時は環境を変えたくてというより、1浪した後にわざわざ自大に戻りたくないという考えの方が大きかった。

 

結局、なんだか逃げるように今度は関東に住むことになった。

 

関東には2年間しかいなかったが、凄く充実していた。

 

いい教授にも出会えた。

勉強は相変わらず嫌いで入学当初は理由もなくよく休んでいたけれど、教授が期待してくれるのに答えようと、研究や学会も頑張った。なんとなく、この人は裏切りたくないな、という気持ちだった。修論発表で優秀賞を取ることを目標に2年目は特に頑張ったが、結果は何一つ得られずだった。

でも、なんとなく自分にもやれば出来るんだという自信だけが残った。というか、何一つ成し遂げられてはいないけど、いつもレールから外れるのが嫌で全て中途半端に悪い意味で努力しちゃう自分が、心からこんなに頑張れることってあるんだという単純な驚きと発見があった。

 

いい女性にも出会えた。今の奥さんだ。

大学時代は恋愛とはほぼ無縁だったので、なんとなく恋愛にも挑戦してみようと思えた。付き合い始めた当初はさすがに結婚することなんて無いだろうと思っていたけど、いつの間にか結婚してた。

 

 

 

 

 

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人生の岐路に立つたび、フラフラ、フラフラ。

 

流されるように自分の進路を決めてここまでやってきて、ようやくなんとなくわかってきたことは、「無理に頑張る必要」は無いということである。

やりたいことがなければ頑張らなくてもいいし、やりたいことがあれば頑張らずとも目標に向かっての努力が自然と出来ちゃうということ。

 

色んなことから逃げてきて今の自分があるけど、逃げることも案外悪くないなという気がしている。

僕の場合は名古屋の大学から逃げて関東に行ったけど、大学4年目の夏にあのまま自大に進学しなくて本当によかったなというふうに思っている。無理に頑張ることもなく、いい人、いい気付きに出会えた。

また、大きく脱輪したけど、人生計画通りに行かなくても案外なんとかなると思うようになった。

 

もう一つわかったことは、「自分にハマる環境」はきっとあるということ。

しかも、環境というより「その場所にいる人」が重要なのかもしれない。

今、行きたくもない大学や会社に通っている人。自分がハマる環境というのは、この広い世の中、必ずあるということを忘れないでほしい。それも、多分1つや2つではない。

僕の場合は、大学院が自分の人生において最もハマっている場所と言い切るにはまだ早すぎる気がして、博士進学という道は取らずに新しい道を選んだが。

 

 

この記事の冒頭にも「田舎を出ればきっといいことがある。都会が自分を変えてくれる。」と書いたが、これは半分だけ合っていると思う。

都会という環境はお金を稼ぐ方法も使う場所も無限にある。なんでも出来るし、なにもしなくてもいい。とにかく選択肢が無限にある。

でも、都会に住んでいても自分で考えて選択して、行動を起こしていかなければ何も得られないということにも気付かされた。

環境が何をせずとも流されていく自分を変えてくれるわけではない。

 

 

ただこれからも人生の選択肢は無限にあるし、いつだって新しい道を選ぶ自由があるのだと気付けて世界がぐっと広がった。大きく脱輪してしまったけど、そのきっかけをくれた人生の転機に今では感謝している。